第5回HALSグループミーティングを終えて
 
 
初雪の便りが聞こえる候、皆様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
 2014年10月18日 (土)、東京女子医科大学臨床講堂において『第5回HALSグループミーティング』を開催いたしました。盛会を以って終了できたことを、心からうれしく思います。尾道から、信州から、また青森からも御参加いただき、御多忙にも関わらず全国から多数の先生方に御出席いただきましたことを厚く御礼申し上げます。

 一般演題では、手術におけるHALSの位置づけ、成績の集計、テクニック、そして新規医療器械の開発に至るまでの興味深い内容の報告をしていただきました。また、HALS教科書の刊行も踏まえ、『明日のHALSを考える』として低侵襲手術についてディベートを行いました.オーディエンス中心の活発な討議によると、pure-laparoよりHALSが低侵襲性についてよりよいのではないかという見解でした。大規模な多施設共同比較研究につながることを望みます。特別講演には、大村昭人先生(帝京大学医学部名誉教授・元医学部長)から『医療機器で日本を救う』というお話をいただきました。世界の健康状態について、日本のまた世界の医療・医療教育・医療行政の問題、更には経済問題にまで発展し、我々にも身近な医療器械の開発とその認可の改善で国までも救うことができるというお話でした。常に問題意識を持ち、広い見識を持ちつつ専門職でありたいという我々の心を鼓舞するお話でした。

 私は泌尿器科医ですが、手を入れないのに最終的に小創を開ける術式に疑問を感じ、『新たなHALS腎摘出術』を発表したことがHALS研究会に所属するきっかけとなりました。泌尿器科学会で発表するとHALS研究会からお誘いメールが届きまして、出席してHALS研究会の皆様の柔軟性と合理性に共感したのが第2回HALSグループミーティングでした。常に真実を考え、先を考えて手術法を見つめてゆくことが外科医の務めと思います。前立腺癌手術はダビンチ手術に移行し、骨盤内で自由に動く2本指の両手を得たと感じておりますが、前立腺組織摘出創は相変わらず活かされていません。さらに、この第5回ミーティングでは、感覚をも持つ小さな手(ロボット)そのものが働くことが夢でないことを教えていただきました。興奮します。

 『明日のHALSとは?』。もちろん結論は出ませんが、とにかく日々考える刺激になったのではないでしょうか。懇親会もとても楽しかったですね。それではまた来年お会いしましょう。





2014年11月3日

第5回HALSグループミーティング当番世話人
帝京大学医学部附属溝口病院泌尿器科
石坂和博


 
 



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