第4回HALSグループミーティングを終えて
編集後記 05
 
 今年は台風の数が近年稀にみる程多い年だそうですが、HALS研究会の当日も台風27号と28号が関東方向に向かい北上しておりました。幸いにも、なんとか直撃を免れ無事に研究会を行うことができました。参加者は60名以上を数え過去最高となり、関東以外からも大阪・京都・長野・福島・青森・北海道等、遠路遙々多数の皆様方にご参集賜りました。さらに、ヒューマノイドロボットハンドで世界をリードする電気通信大学ロボット工学の皆様にもご参加いただき、本当に有難うございました。心から厚く御礼申し上げます。
代表世話人である亀岡信悟先生(東京女子医科大学第二外科・主任教授)からは、本会のますますの発展と啓蒙についてのお話、および本邦初となるHALS本の来春出版に向け、現在の進捗状況についてのご説明がありました。何と既に元原稿の70%以上が脱稿されており、原稿をお願いしました諸先生方には心より感謝申し上げます。今後も本会共々宜しくお願い致します。年末に向けて超多忙と思われますが、編集委員の皆様、今後の編集作業も是非ともハイペースで頑張って行きましょう。
一般演題では、やはり外科医・麻酔科医が少ない施設によるHALSの導入について活発な議論が取り行われました。さらに消化管、炎症性腸疾患に対するHALSや膵・脾に対するHALS、HALS膀胱全摘等、バリエーションも豊富で実際の臨床に則した濃い内容が報告されました。松田先生は、腹腔鏡手術時のグラブは緑色がbestである光学的根拠を示され、板橋先生は、HALSの標準化や今後の展望について会場の参加者がどのように考えているのかを、例によりアンサーパッドで分かり易く且つ明解に方向性をまとめてくださいました。その中で、少し意外であったのが若手の後輩たちへの指導についてであります。私は、最低限・消化器外科学会の専門医(定型的大開腹手術主体)を取得してからLap-opeやHALSに展開するべきであると、何の抵抗もなくstandardで本道であろうと考えておりましたが、松田先生も板橋先生からはpure-laparoでもHALSでも、環境によっても異なりますが好きなジャンルからやれば今の先生達は、それなりに形にしてしまうし、良いのではないのでしょうか?とのご意見が出て、私がかなり古いのか両先生の柔らかい頭には本当に驚きました。そういえば、以前、テレビゲームで遊んできたスマホ世代には従来からのgolden standardは通用しないことが多く、なんでもスマートにこなしてしまうとも。そして、今時の若い世代の人達には上司から褒められながら仕事を展ばして欲しい、という意見が多いことも。約70年以上も前に山本五十六元帥が残した名言から:やってみせ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かじ。ご両人とは若干の意見の相違はあるものの、やはりある程度は若手の意見を尊重し、信頼して任せることが重要なのであろうかな、とやや複雑な心境でありました。
来年の第5回HALSグループミーティング当番世話人は、石坂和博先生(帝京大学医学部付属溝口病院泌尿器科)です。きっと更に充実した内容でご企画いただけることと存じます。今後ともご指導の程、何卒宜しくお願い申し上げます。



2013年 吉日

HALS研究会事務局代表
東海大学医学部付属八王子病院外科
向井正哉


 
 


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