Q |
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大腸がん、胃がん、最近の検査や治療法についてうかがいたいのですが、この2つのがんは日本人に多いのですか? |
A |
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そうですね。最近、胃がんは少し減ってきましたが、女性には大腸がんが増えています。 |
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Q |
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食生活の変化というのがそんなに大きいのですか? |
A |
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肉食、あるいはライフスタイルの欧米化等が言われていますが、最近では慢性便秘等から女性のS状結腸がんがかなり増えていると思います。 |
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Q |
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一口に大腸がんと言っても色々細かく分けられるのですか? |
A |
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病巣のできた部位によって様々な特徴があります。 |
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Q |
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検査についてですが、今は内視鏡検査が主になるのですか? |
A |
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胃がん検査の場合、昔はバリウム検査が主流でしたので、ピンポン球くらいの病変にならないと“しこり”としては、はっきりと写らない、はっきりと診断できないという状況が多かったようです。しかし、最近では内視鏡(胃カメラ)を入れると瞬時に微小病変でも見えてしまうという状況です。
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Q |
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かなり小さくても判るのですか? |
A |
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大体2〜3mmの微小病変までは、モニターでご本人もご覧になれます。 |
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Q |
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胃カメラでも大腸カメラでも検査方法は同じですか? |
A |
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基本的には同じですが、大腸の場合は前日から食事制限をし、当日に下剤を服用し腸内洗浄をした上でお尻からカメラを入れます。胃カメラは当日の食事制限のみで検査を受けられます。 |
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Q |
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初めて受診したその日に内視鏡検査を受けられますか? |
A |
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できれば前もってお問い合わせていただきたいのですが、内視鏡に力を入れている病院であれば心窩部(みぞおち)、あるいは上部消化管系(十二指腸まで)の症状で受診された方には外来枠で内視鏡検査をして、帰る時にはある程度結果が出ているという場合もあります。 |
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Q |
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胃カメラに不安や恐怖感があるのですが? |
A |
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カメラに対して苦痛をお持ちの患者様もいらっしゃると思いますが、最近の検査では、全身の緊張状態をとり除き、喉の反射を軽減したり、不安を和らげるよう軽い鎮静剤を使用して行います。そのためリラックスして喉の圧迫感や不快感のない状態で検査を受けられます。また医師と一緒にモニターを確認しながら、症状や状態について確認が可能です。不安をお持ちの場合は、担当の医師に遠慮なくご相談ください。 |
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Q |
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ミリ単位の病変というのはその段階で細胞を採るのですか? |
A |
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病変組織の一部または全部を採って、顕微鏡で検査をを行う場合もあります。次の検査や治療の方向性を決めるため、必要な検査となります。 |
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Q |
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胃カメラ検査はどれくらいの時間で受けられますか? |
A |
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前処置として約10分ゼリーを含んで喉に麻酔をしますが、検査そのものは5〜10分程度です。あっという間です。 |
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Q |
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内視鏡検査はどのくらいのペースで受ければ良いですか? |
A |
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専門的に言いますと、胃は半年あるいは一年に一度、大腸はポリープがない方ならば、二年に一度程度受けることが望ましいです。 |
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大腸内視鏡・胃内視鏡による治療(内視鏡的治療)について |
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Q |
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大腸がん・胃がんについて、内視鏡で病変が見つかった場合はどうなりますか? |
A |
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内視鏡検査で小さな病変(一般的に2cmくらいまでの大きさ)が見つかった場合は、開腹手術ではなく内視鏡的に病変・組織を採取するという処置を行います。内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)/粘膜切除術(EMR)と言われる治療的手技です。これらの内視鏡的切除術は、陷凹した潰瘍の様な病変には適応が難しいのですが、きのこのように隆起した病変(大腸に多い)には、ワイヤーを掛けて電気で焼き切る手法をとります(内視鏡的ポリペクトミー)。最近では、胃でも表面隆起形の1〜2cm程度の病変であればESD/EMRを選択する機会が増えています。これは診断と治療が同時に行え、最先端と言えます。 |
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Q |
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診断と治療は内視鏡を1回入れるだけで良いのですか? |
A |
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内視鏡治療を行うかどうかは、まず組織の一部を採取して、顕微鏡で検査したのち判断します。そのため多くの場合、検査と治療は別けて行います。検査・診断後、内視鏡治療での注意事項や副作用を説明の上、2泊3日、あるいは3泊4日程度の短期入院で内視鏡治療を行うのが一般的な流れです。 |
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Q |
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内視鏡治療が可能な大きさはどのくらいの病変までですか? |
A |
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胃の場合は、隆起した約1〜2cm、大腸の場合は色々な適応がありますが、やはり約1〜2cmまでが安全である思います。一般的には小指の頭半分くらい、あるいは小指の頭ちょっと小さめくらいと覚えていただければ良いかと思います。 |
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Q |
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それ以上の大きさになると、処置・手法が変わってくるのですか? |
A |
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手術の可能性が高くなります。まず内視鏡治療で切除が可能かを考え、無理な場合は手術という選択をします。例えば胃がんでは、表面隆起型の約1〜2cm病変であれば、内視鏡治療の適応ですが、約1〜2cmの病変であっても、月面のクレータの様な陷凹したものや一部の組織型では手術適応となります。
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Q |
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凹んだクレータ様のタイプの病変は多いのですか? |
A |
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一般的に胃がんの手術適応になるタイプはほとんどが陷凹型です。潰瘍型で下に深く掘れたものの周りに少し浅い陷凹があって、そこにがん細胞が散らばっているタイプの病巣では、やはり手術でしっかり切除しなければなりません。 |
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Q |
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胃と大腸では病変の種類に差があるのですか? |
A |
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大腸内視鏡治療では隆起型/表面隆起型がほとんどです。 |
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Q |
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病巣・病変によって説明を十分に受けて、どの治療法を選択するかを決めていくのですか? |
A |
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はい、そうです。疑問やご希望など、担当の医師に何でもご相談ください。 |